このご時世、老後の生活資金に不安を覚える方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな中、不動産を担保に生活費を貸し付けてもらえる制度があるのをご存知ですか?
今回は、リバースモーゲージについてお話ししたいと思います。
リバースモーゲージとは、居住用不動産を所有している人が、
そこに住み続けながらその不動産を担保にして、毎月の生活費を借りるしくみです。
商品のしくみは金融機関によって異なります。融資タイプは、大きく分けて3タイプあります。
- ○年金型:定期的に定額の融資を受けるタイプ
- ○一括融資型:まとまった金額を一括して借りるタイプ
- ○自由融資型:決められた金額の範囲で随時利用するタイプ
また、担保物件を売却し返済した後に債務が残った場合の相続人の返済義務は2タイプあります。
- ○リコース型:相続人に請求が行くタイプ
- ○ノンリコース型:相続人に請求が及ばないタイプ
ん~、金融商品って何だか仕組みが複雑ですね。
具体例として、福祉サービスの一環で行われている公的なリバースモーゲージである
「不動産担保型生活資金」(社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会)についてお話いたします。
持ち家と土地があっても現金収入が少ない高齢者世帯向けの貸付制度です。
■不動産担保型生活資金の対象者は?
次の事項すべてに該当する高齢者世帯です。
- ○借入申込者が単独で所有、あるいは同居の配偶者との共有する不動産に居住していること。
- ○不動産に貸借権等の利用権や抵当権等の担保権が設定されていないこと。
- ○配偶者またはその親以外の同居人がいないこと、かつ、世帯の構成員が原則として65歳以上であること。
- ○借入世帯が市町村民税の非課税世帯または均等割課税世帯程度の低所得世帯であること。
- ○暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員が属する世帯は、借入申込はできません。
■貸付内容は?
- ○貸付限度額
- 居住用不動産(土地)の評価額の70%(※評価額は概ね1,500万円以上)
- ○貸付期間
- 借受人の死亡時までの期間
- または貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間
- ○貸付額
- 1月あたり30万円以内の額(臨時増額可能)を3ヶ月分ごとにまとめて貸付
- ○貸付利子
- 年利3%または毎年4月1日時点の長期プライムレートのいずれか低い利率
- ○償還期限
- 借受人の死亡など貸付契約の終了後、措置期間が3ヶ月あり、償還期限となります。
- 償還期限を過ぎた場合は、償還完了までの間、延滞利子(年3.0%)が発生します。
- ○償還の担保措置
- 居住する不動産に根抵当権等を設定
- 推定相続人の中から連帯保証人1名を選任
■留意しなくてはならない注意点
- ○マンションなどの集合住宅は対象となりません。
- ○居住していない不動産は担保物件となりません。
- ○同じ敷地内に子供世帯の家が建っている場合や、2世帯住宅の場合は対象外となります。
- ○子供が親の土地を担保に融資を受けている等、その土地に担保権が設定されている場合や賃借権が設定されている場合は対象外となります。
- ○共有の場合、配偶者が連帯借受人となり、配偶者以外の方との共有名義の場合は対象になりません。
- ○不動産に第1位順位の根抵当権設定及び所有権移転請求権保全のための仮登記を行うことが可能な物件に限ります。
- ○生活保護受給世帯は除きます。
貸付の仕組みの概要
- 1.お住まいの市区町村にある社会福祉協議会へご相談
- 2.概算評価を受けたあと、申込書類を整え、本申込に進めます。
- 3.借受人と神奈川県社会福祉協議会が貸付契約を締結します。
- 4.不動産を担保に、月々の生活資金を神奈川県社会福祉協議会から貸付します。
- 5.借受人が死亡したなどの場合に貸付契約は終了し、借受人の相続人または連帯保証人が貸付金及び利子を償還します。
土地を担保にすること及び貸付期間が長期にわたることにより予想されるリスク
- ○不動産価格が下落した!
- 本制度では3年毎に不動産の再評価をし、貸付が継続できるか判断します。
- この時の諸経費は借受者負担となります。
- ○貸付元本・利子が貸付限度額に到達した!
- 担保物権の居住中に元本と利子が貸付限度額に達する場合があります。そのときは
- 「居住しつづけながら、それ以降に発生する利息を支払う」、
- 「限度額到達時に物件を売却し精算する」、
- のいずれかの選択をしていただかなければなりません。
- ○借受者が死亡した!
- 引き続き、承継者として配偶者の方が貸付を希望される場合は、改めて審査を受けていただきます。
- 借受者が死亡し、承継が認められるまでの分は、貸付を一時停止します。
引用元:社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会のホームページ(令和6年5月1日現在)
◇ ◇ ◇
以上は一例であり、取り扱う金融機関や事業者等によって内容や条件等が異なり、それぞれにメリットや注意点があります。
しかしながら、リバースモーゲージは、現在のところ、日本ではまだ広範に普及しているとは言い難い状況です。
- ○ノンリコース・終身年金型が一般的でなく、期中返済が求められることもある。
- ○一戸建てを対象としたものが多く、建物部分の価値が評価されないことが多い。
国立国会図書館「リバースモーゲージの現状と課題」において以上の2点が指摘されています。
老後の生活資金の不安を解消するのに、ほかの方法はないのでしょうか?
リバースモーゲージのほかに、もう一つ代表的なものに、リースバックという方法があります。
セール&リースバックと言われたりもしますが、
自宅をリースバック事業者に売却すると同時にリースバック事業者との間で賃貸借契約を結び、
自宅を借り受けて住み続けることができるしくみです。
自宅売却時に売却代金を生活資金等(資金用途は自由)として一括して受け取り、
賃貸人たるリースバック事業者に毎月家賃を支払います。
リバースモーゲージを検討する際には、リースバックも並行して検討し、
自分に合っている方を選んでいただくのが良いと思います。
リースバックはジェイワンホームズでも取り扱っていますので、お気軽にお問い合わせください!
不動産売却に関するご相談は、ジェイワンホームズまで!
まずは「スピード」、そして「正確」で「丁寧」な仕事をモットーに、
横浜から新しい不動産売却のカタチを提案します!
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